保育従事者の定年等について

トピック

定年年齢の定め

 

現在、法律により60歳を下回る定年を定めることはできません
また、65歳未満の定年を定めた場合は
〇定年の引き上げ
〇継続雇用制度の導入
〇定年の定めの廃止
のうち、いずれかの措置を講じ65歳までの雇用確保の取り決めをしなければなりません。
保育従事者は特に、60歳を超えても現役で元気に働ける方がたくさんいらっしゃるので、定年の年齢設定についても悩むところではないでしょうか。
また、自治体によっては認可保育園の常勤保育士は、年齢にかかわらず「無期雇用」であることを条件とする場合もあります。
 
そこで、上記の内容とそこから出る課題についてお伝えします。

 

〇定年の引き上げ

定年を60歳から65歳等に引き上げる場合、常勤の保育従事者以外にも、無期雇用契約職員・無期雇用パート職員・調理や事務の正職員についても、定年年齢を引き上げる必要があると考えます。
また、退職金の取り決めをしている場合には、退職金の支払い時期は定年延長した分延期されますので、積み立てやポイント等の取り決めの修正も必要です。

 

〇継続雇用制度の導入

継続雇用制度は一般に、1年単位の「有期契約」を締結します。
ただし、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる無期転換ルールについては、60歳以上であっても原則は適用されますので、ご注意ください。
定年後も自治体の取り決め等で無期雇用が必要な場合には、新たな労働契約で正職員としてではなく、「嘱託職員」等を設定し、第二定年を定めるという方法もあります。

 

〇定年の定めの廃止

令和3年4月よりは70歳までの雇用確保の「努力義務」(義務ではありません)がはじまります。そうした点からも「定年を定めず生涯現役」という考えも生まれています。
ただし、保育は子どもの命を守るという使命のある仕事ですので、生涯現役の場合には、シニアの保育従事者の皆様にどのような職務を行っていただくかは明示する必要があります。

 

また、退職金の取り決めをしている場合には、「いつ支払うのか」という点において、退職所得とみなされるのか否かの問題も発生しますので、税務面とのすり合わせも必要です。

 

■ポイント

《参照》厚生労働省HP/高年齢者雇用安定法改正の概要~70歳までの就業機会の確保のために事業主が講ずるべき措置(努力義務)等について~
改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行されます

 
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