なんでもQ&A~2021年度1か月変形労働時間制の注意点

Q&Aトピック

Q:質問内容

 

保育園を経営しています。 わが社の保育園はすべて1か月単位の変形労働時間制を適用していて、毎年3月に、次年度の年間カレンダーを作成します。基本的には日曜・祝日・年末年始休暇を除く平日の日数を労働日数と考えています。 カレンダーを作るにあたって注意点はありますか?

 

ポイント

1か月単位の変形労働時間制とは…1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間以内となるように、労働日及び労働日毎の労働時間を設定することにより、特定日に8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えたりすることが可能になる制度(労基法32条の2)
《参照HP》厚生労働省HP:リーフレット『1か月単位の変形労働時間制』

 

A:質問の回答

日曜・祝日・年末年始休暇を除く平日を労働日と考える場合には、2021年度は6月に注意してカレンダーを作成してください。

1か月単位の変形労働時間制では、1週間当たりの労働時間が40時間以内という考えをもとに、月間で時間外勤務とならない上限時間数が下記のように設定されています。(※1週44時間の特例措置対象事業場を除いています)

 
 
 
 
 
《抜粋HP》厚生労働省HP:リーフレット『1か月単位の変形労働時間制』
 
上記をもとにすると、歴日数が30日の6月の上限時間数は171.4時間。
ところが、2021年の6月の平日日数は22日ありますので、1日の労働時間が8時間とすると
22日×8時間=176時間  176時間―171.4時間=4.6時間の時間外労働が発生します。

 

この場合の運用としてたとえば以下のような内容が考えられます。
 
❶労働日数は22日のままにして、4.6時間は時間外労働として割増賃金を支払う。
この場合には、総労働時間が176時間(8時間×22日)であるすべての職員に4.6時間分の時間外割増賃金の支払いが発生します。
❷5月の労働日数を19日として、振替休日を活用し、5月の1日働かなかった分を6月の稼働日として事前に設定する。
5月はGWがあり、平日の日数は18日です。5月の歴日数は31日のため、19日を労働日数としても問題ありません。ただし、「土日祝および年末年始を休日日数とする」と取り決めている会社の場合には、就業規則や労働条件通知書の変更が必要です。この場合には従業員への丁寧な説明を行い、変更への同意等を得てください。
❸会社の休日として、6月に1日夏休みを設定し、労働日を21日とする。その結果、6月の総労働時間は、21日×8時間=168時間となり、上限時間内となる。
保育園の多くの会社は「6月~8月に3日の休日を設定する」といった夏休みに関する規定を設けています。この夏休みが「会社の休日」であれば、6月に1日の休日を設定するとよいでしょう。

 

ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談下さい。