なんでもQ&A~新型コロナワクチン接種

Q&Aトピック

Q:質問内容

 

新型コロナウイルスの流行が今までにないほど脅威です。 当社は接客業であるため、お客様および社員の命を守るために、身体的に接種ができない人以外は、社員全員にワクチン接種を義務としたいです。 可能でしょうか?

 

A:質問の回答

2021年8月時点では、ワクチン接種を義務とするまではできないと考えます。
ただし、接種推奨の工夫は可能だと考えます。

確かに、アメリカでは航空会社や軍隊で新型コロナウイルスのワクチン接種を強制しているようですので、今後の日本の流行状況によっては変化する可能性はあるかもしれません。
しかし、現時点ではポイント1にあるように、あくまでも努力義務としています。

 

ポイント➀「厚生労働省の見解(2021年8月時点)」

現時点では厚生労働省は「新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。」
『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)問14』(厚生労働省HP)と記載し、努力義務としています。
 
また、同じく厚生労働省のQAサイトでも「職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないよう、皆さまにお願いしています。仮にお勤めの会社等で接種を求められても、ご本人が望まない場合には、接種しないことを選択することができます。
『新型コロナワクチンQ&A』(厚生労働省HP)とはっきりと記載しています。
 
こうした状況を踏まえますと、会社において

  • 社員より接種証明書の提示を義務づける
  • 接種ができないという医師の証明書の提出を求める
  • 社員のワクチン接種状況を聞き取りデータ化する
  • 等については、強制につながるため困難であると考えます。

     

    ポイント➁「接種推奨の工夫」

    とはいえ、特にエッセンシャルワークと言われる、対面業務が外せない仕事を中心に、できるだけワクチン接種を推奨したいという事情があります。
    職場での接種率を上げるためには以下のような工夫ができると考えます。
     
    ①しっかりとした情報を共有する。
    「若い人に副反応が出やすい」「将来のデメリットがわからない」等で、不安に思われている方も多い状況ですが、一方でデマ情報も蔓延しています。
    まずは『新型コロナワクチンQ&A』|厚生労働省 (mhlw.go.jp)等のサイトで職場にて情報共有することをお勧めします。
     
    ②ワクチン接種推奨の仕組みを作る。
    たとえば、ワクチン接種に対する奨励金や、特別休暇の設定、ワクチン接種時間やその後の副反応による早退等について賃金を保証する等、プラスαをすることについては問題ありません。
    実際にそうした制度を充実させている会社もすでに複数あります。
     
    ただし、気を付けるべきは「ワクチン接種を受けていない人に対する差別的扱いの防止」です。
    《参照HP》厚生労働省HP:『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)問14』
     新型コロナワクチンの接種は強制ではなく、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に、職場において解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な扱いをすることは許されるものではありません。」と明確に記載しています。

     
    実際には推奨と強制の間で悩まれるケースが多いと感じます。
    迷われる場合には、お気軽にお問い合わせください。